受験生・保護者の皆さま

学部長挨拶

魅力溢れる教師を目指して

 静岡大学教育学部は「学校の先生」を養成する学部です。幼稚園、こども園の先生から、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の先生、各学校の保健室の先生まで、多様な「学校の先生」を育てています。
 それでは、教師という仕事には、どんな魅力があるのでしょうか、どんなやりがいがあるのでしょうか。それは、子供に寄り添い、関わりながら、その成長を見届けることだと思います。幼稚園児には幼稚園児なりの、中学生には中学生なりの、思いや願いあるいは悩みがあります。子供が一生懸命に日々を過ごしていることを、見守り、ときには助けながら、子供自身がそれを乗り越え成長していく姿をすぐ近くで見届けるのは、とても楽しくまた感動的な体験です。特に、卒業式・卒園式での子供たちの姿を入学・入園したときと比べると、その成長の大きさに驚かされます。それに自分が関わっているなら、より一層子供たちを誇らしく感じるでしょう。
 教育学部への進学を考えている人の中には、自分が教師に向いているのかどうか心配な人もいるでしょう。私は教育学部の附属学校で3年間校長を務めました。その時に思ったのは、学校の先生方がみな子供たちに真剣に向き合っているということでした。自分の子供でもないのに、本気で心配したり励ましたりしていました。こういう人が、先に述べた教師という仕事の魅力を十分に味わうことのできる人だと思います。もしあなたが他人を応援したいなら、きっと教師に向いています。
 教員免許を取得するだけなら、どこで学んでも同じかもしれません。でも、そのために4年間も学ぶのですから、楽しく充実していた方がいいでしょう。静岡大学教育学部には、幼児教育、小・中学校の教科教育、特別支援教育、養護教育のスペシャリストなど、多様な専門的能力を持った教員がそろっています。模型の世界首都静岡にふさわしくプラモデル業界と共同研究している教員や、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のX線分光撮像衛星XRISMに参画している教員など、ユニークで魅力的なスタッフがいます。
 魅力的な教師を育てるために、私たち静岡大学教育学部では、学部4年間を貫いた体系的カリキュラム「教職キャリア形成プログラム」を中心に、教師としての強みを自覚的に形成する「教育の現代的課題」科目群や、教職への道のりを支援する教職支援室など、多くの学びの機会を用意しています。教師という仕事を理解し、将来の成長を見通してもらった上で、大学時代にその基礎となるものを培って送り出すことが私達の役割です。
 静岡大学教育学部は、魅力あふれる教師を目指す意欲あるみなさんをお待ちしています。

教育学部長  村山 功